パッタルン2日目は、朝からボートに乗って巨大仕掛け網(ヨーヤック)を見物したり、夜明けのタレーノーイ湖の睡蓮や水鳥、そして水牛の群れを観察しにでかけました。
途中、すごいスコールに見舞われたりしましたが、とても貴重な体験ができました。
- 出航待機
- ボートに乗って出発
- 絶景!タレーノーイ湖と水牛の群れ
- 一面の睡蓮!?
- ジャングルクルーズと緑の水路
- 湖上で土砂降り
- 無事帰還
- 朝ご飯
- お隣の宿へ移動
- エーカチャイ橋からの絶景
- レイクハウスにチェックイン
- ピザで満腹
出航待機
朝5時。
まだ辺りは真っ暗ですが、打ち寄せる波の音で湖面の荒れ具合は想像できました。
シャワーを浴びて支度をしていると、携帯が鳴りました。
「波が高いので、運河の船着き場からの出発となります」
本当は、外海(厳密には海ではなく広大なソンクラー湖の一部『湖中部』)に面したコテージの桟橋からボートに乗って、巨大仕掛け網の様子を見てから、水路を通ってタレーノーイ(ทะเลน้อย)という内湖(湖北部)へと向かう予定でしたが、ベトナム辺りに接近している台風の影響で波が荒く危険なため、最初からパークプラ運河を通ってタレーノーイへ行くコースに変更となりました。
これは前日に説明されていたので、仕方ありません。
自然のことですもんね。
5時半過ぎ。
指定された出航場所へ向かおうとコテージを出たら、雨が降ってきました。
『よりによって、このタイミグで・・・』
コテージの駐車場で思案していたら、寝間着姿の奥さんが出てきて声をかけてくれました。
「雨が止むまで部屋で待機していてください」
一旦部屋へ戻ります。
『これは朝焼けどころか、出航自体もあやしくなってきたな』と思いつつ、薄暗い空を恨めしく眺めていました。
ボートに乗って出発
部屋で待機すること小一時間。
ようやく雨があがり、空が明るくなってきました。
指示されたパークプラ運河の船乗り場までバイクで向かいます。
6時40分。
いよいよ出航です。
寡黙だけど人の良さそうな船頭さん。
運河に出た瞬間、河口ということもあって外側から押し寄せる波が高く、ボートが揺れました。
ひっ・・・
これで、大きな湖側にある仕掛け網見物は、完全にあきらめがつきました。
運河を遡るようにしてタレーノーイへと向かいます。
河口付近の運河沿いにも巨大仕掛け網はあるのです。
今回は、これらの見物で良しとしましょう。
パークプラ運河を進んでいくにつれ、波も穏やかになり、青空も垣間見えてきました。
水鏡のような水面をボートがかき分けていく様子を、水面に近い目線で眺めるのが好きです。
水草や岸辺の茂みから鷺のような水鳥が飛び立っていきます。
もうこうして船に乗っているだけでワクワクです。
絶景!タレーノーイ湖と水牛の群れ
20分ほど進むと急に視界が開けて、私の乗ったボートはタレーノーイ湖の広大な景色の中に放り出されました。
ノーイ(小さい)なんていう名前が付いているものの、対岸がよく見えないくらい大きな湖です。
大海に浮かぶ小舟に乗っているような気分になります。
波が穏やかなのが救いです。
ボート上で作業をするおじさん。
うちの船頭さんと知り合いみたいで、声をかけあっていました。
ボートはタレーノーイ沿いに架けられた橋の方へ向かって進んでいきます。
遠く橋の手前の浅瀬に、何やら黒い点々が見えてきました。
近づいていくと、それは水牛さんの群れでした。
水草を食べているようです。
このタレ―ノーイではたくさんの水牛が放牧(?)されています。
野生というわけではなく、それぞれにちゃんと飼い主がいます。
湖に浮かぶ小島には水牛小屋があって、お腹いっぱいになった水牛は勝手に自分たちの小屋へ戻っていくそうです。
かしこいですね。
一面の睡蓮!?
水牛さんを一通り見物した後は、湖の対岸方面へと移動です。
タレーノーイと言えば、実は睡蓮(レッドロータス)が咲き誇る湖としても有名なんです。
外国人観光客には、ウドンタニー県にあるノンハン湖の睡蓮、通称「タレーブアデーン」が有名ですが、ここタレーノーイの睡蓮も負けてはいません。
ちょうど1年前に訪れたタレーブアデーン(赤い蓮の海)の記事は、こちらをどうぞ。
タレーブアデーンの美しい景色は、今でも脳裏に焼き付いています。
そんなタレーブアデーンと双璧をなすタイ南部の景勝地、タレーノーイの睡蓮はいかに!?
期待は高まりますよね。
でもしかし。
実際には、ちょろっちょろっと咲いている程度だったんです。
なんじゃこりゃーーー!!!
(ちゃぶ台ひっくり返し)
というわけではありません。
実は、タレーノーイの睡蓮が咲くのがこの時期でないことは事前に知っていました。
ここタレーノーイの睡蓮が満開になるのは、年の真ん中、5月とか6月くらいなんだそうです。
でも不思議ですよね。
年末年始という、ほぼ同じ時期に訪れているのに、ウドンタニーの睡蓮は満開、一方、パッタルンの睡蓮はほぼ皆無。
半年ズレているわけです。
品種が違うのか、気候の違いなのか、たまたま開花サイクルの違いが生じたのか・・・。
もしご存知の方いらっしゃったら教えてください。
あ、そうそう、船頭のおじさんに聞いたんですが、水牛さんたちは睡蓮の花が大好物だそうです。
満開に咲く睡蓮を水牛さんたちが食べていく絵を一度見てみたいです。(笑)
「5月頃のタレーノーイは赤い蓮が一面に咲いてきれいだよー」
と船頭さん。
いつかまた来ますね。
ジャングルクルーズと緑の水路
正確な位置はわかりませんが、タレーノーイから繋がる別の水路に入っていきました。
ここの水路が本当にジャングルクルーズのようで素敵でした。
途中、エンジンを切ってゆっくり手漕ぎで進んでくれたのですが、櫂(かい)が水を切る音と鳥の鳴き声だけが響く静寂に、眠り落ちてしまいそうな心地いい鳥肌が立ちました。(←言っている意味わからないですよね?汗)
パッタルンは水草で編んだ籠やバッグが有名ですが、その水草「グラジュート」(กระจูด)が水路の両脇にたくさん生えていました。
ジャングルクルーズのような木立の水路を抜けると、次は視界の開けた緑の水路。
野鳥が羽ばたいて私たちのボートを先導するように飛んでいきました。
(きっと逃げてるだけ)
視界に入る人工物がほぼ私たちのボートだけという瞬間もあったりして、誰もいないパラレルワールドへ迷い込んだような、幻想的で不思議な空間に魅了されました。
水牛さんの小屋はこんな風になっています。
遠くから向かってくる私たちのことをご主人様だと勘違いしたのでしょう、外へ出してくれと一斉に見つめられました。
湖上で土砂降り
8時過ぎ。
そろそろ引き返す時間です。
ボートは再び緑の水路を折り返すように進み、タレーノーイ湖へと出ました。
ところが!
タレノーイの湖上を横断してパークプラ運河へと向かう途中で、大雨が降りだしました。
それはもうすごい土砂降りで、背中を丸めて傘を盾にするように短く持ち、なんとか頭とカメラバッグだけを守りました。
船頭さんは、もちろんずぶ濡れです。
目も開けていられないような雨足の中、よく運転を続けてくれました。
10数分ほどして、対岸にパークプラ運河が見えてきた頃、雨はピタッと上がりました。
無事帰還
運河に入ってからは、行きと同じく、のどかで平和な景色が続きます。
『もうこの素敵なクルーズも終わるのか・・・』
と名残惜しみつつ、両岸に設置された巨大な仕掛け網を眺めました。
9時10分。
もとの船着き場へ到着です。
船頭のおじさんにお礼を言い、記念撮影をしてからボートを降りました。
朝ご飯
宿に戻って、朝ご飯を食べることに。
共用テラスの一部にビュッフェスタイルの朝食が用意されていました。
一般的なトーストやジャム・バターなどもありますが、地元料理がメインなのが嬉しかったです。
辛い南部のカレーや、カノムチーン、お粥、揚げ魚、じゃこ(おそらくプラー・ルーク・ブレー)、卵炒め、生野菜など、素朴な家庭料理っぽい品々が美味しかったです。
あと、ちまき風のもち米のデザートも甘さ控えめで美味しかったので、2個も食べてしまいました。
お隣の宿へ移動
11時過ぎに、2軒お隣の宿「Lake House」(ชานไม้ ชายเล)へ移動です。
前回の記事にも書きましたが、実は、元々この「Lake House」に2泊で予約していたのですが、オーバーブッキングということで1泊目は「Wetland Camp」に案内されていたわけです。
徒歩1分で今晩の宿、レイクハウスに到着。
あいにく部屋の準備がまだ整っていないということなので、大きい荷物だけ預かってもらい、バイクで散策にでかけました。
エーカチャイ橋からの絶景
ソンクラー湖の湖北部であるタレーノーイと湖中部の広大な湖の間に架かる橋へと行ってみることにしました。
通称エーカチャイ橋(エカチャイ橋とも)と呼ばれる、全長約5.5キロのとても長い橋です。
2007年に完成したこの橋の正式名称は、サパーン・チャルーム・プラキアット・ペートシップ・パンサー(สะพานเฉลิมพระเกียรติ 80 พรรษา ฯ)といい、前国王ラーマ9世(プミポン国王)の生誕80歳記念という名前を冠しています。
宿からバイクで15分ほどで橋のたもとに到着。
雲の多い空でしたが、快晴ならすごく綺麗でしょうね。
朝焼けや夕焼けも綺麗だと思います。
橋の所々に、駐車できるスペースがあるので、そこでバイクを停めてタレーノーイの景色を鑑賞します。
さっきはボートから眺めていた水牛たちを今度は上から見下ろすような形で眺めたり。
水牛って、よく見たら愛嬌がありますよね。
広大な湖と湿地。
大自然の中の1本道のような景色は感動的です。
この道をずっとまっすぐ行けば海岸線の方まで出られるのですが、小雨がちらついたり晴れ間が広がったりと天気も不安定なので、橋を渡り切ったあたりで折り返してきました。
タレーノーイのバードウォッチングパーク近くのお土産屋さんが並ぶエリアで、いくつかお菓子やナムプリックのお土産を買いました。
この日は遅めの朝ごはんをしっかり食べたので、昼は軽く済ませることに。
店先で作りたての魚卵の串焼き(串揚げ?)を買ってみました。
湖岸のベンチに座って食べました。
素朴な味わいで美味しかったです。
レイクハウスにチェックイン
14時過ぎ。
今晩の宿、レイクハウスにチェックインしました。
このレイクハウスも昨日のウェットランドキャンプと同じで、湖に面したコテージが4部屋だけの小さな宿です。
私の部屋は湖に向かって1番右側の4号室で、部屋の前に若干視界を遮る植物が生えていましたが、景色はまあまあよかったです。
レイクハウスは、湖側に橋状の木のデッキあり、ソファーや小さなテーブルが置いてあるので、いろんな角度から湖と巨大仕掛け網を眺めることができました。
部屋の中はこんな感じで、こじんまりと明るい雰囲気。
この時は異常に蟻がたくさん発生し、歯ブラシにまで群がっていたのには閉口しましたが。
(その後、全部冷蔵庫に入れました。笑)
そんなこともタイの地方ではありますよね。
それ以外は特に不満もなく、景色の素晴らしい素敵な宿でした。
<ホテル情報>
-----------------------------
レイクハウス(チャーンマーイ・チャーイレー)
ชานไม้ ชายเล
Lake House
所在地:126 ตำบล พนางตุง อำเภอ ควนขนุน พัทลุง 93150
126 Phanang Tung, Khuan Khanun District, Phatthalung 93150
TEL:081-638-5966
URL:https://lake-house1968.business.site/
-------------------------
ピザで満腹
午後から夕方にかけては、部屋でゆっくりくつろぎながら景色を堪能しました。
『今晩は何を食べようかな?』
ベッドの上でGoogleマップを眺めていたら、近くにわりと評価のいいレストランを発見しました。
タイ料理もあるようですが、ステーキとかイタリアンのレビューもいい感じだったので、今日はここにしてみることにしました。
よく考えたら、今回の旅行の最後のディナーです。
タイ料理じゃない料理でもいいかなと思い始めたら、すっかり頭の中はイタリアンに。
向かったのは、ライ・ポーン・クン(ไร่ปองคุณ)という、田畑の中にポツンと建つ小洒落たレストラン。
正直、パッタルンの片田舎(ごめんなさい!)でこんなレストランに出会うとは思っていませんでした。
メニューをざっとみましたが、それほど高いという印象は受けませんでした。
シーザーサラダと、ピザとパスタを注文しようとしたら、オーダーを受けてくれたお姉さんが、「ピザはかなり大きいのでパスタは要らないと思います」とアドバイスをしてくれました。
素直に従いましたが、本当にその通りでした。
価格的に小さめのピザを想像していたのですが、ピザだけでも1人では苦しいくらいの大きさでした。
頼んだシーフードピザは、プリプリのイカやエビがゴロゴロ入っていて、とてもお美味しかったです。
シーザーサラダもボリュームたっぷり。
一方、ドリンクはお姉さんのお勧めプロモーション「ビール3本200バーツ」を注文したら、まさかの大瓶3本がクーラーに入れられて登場。
流石に無理!
こういう洒落たレストランだから、てっきり小瓶かと思いましたよ。
ていうか。
お姉さん、パスタは制止してくれたのに、ビールは大瓶3本勧めるってどうよ・・・。
(酒豪に見えたのか?笑)
最近、500ml缶1本で眠くなる人です。
それでも頑張って2本は飲みましたが、1本は丁重にお返ししました。
(料金はそのまま払いました)
なんだかんだと楽しい1人ディナーでした。
<レストラン情報>
-----------------------------
ライ・ポーン・クン パッタルン
ไร่ปองคุณ พัทลุง
Rai Pong Khun Phatthalung
所在地:71 หมู่ที่11 ต ตำบล ลำปำ อ.เมือง พัทลุง 93000
71 Moo 11, Lam Pam, Muang, Phatthalung 93000
TEL:098-690-8398
時間:10:00-21:00
URL:https://www.facebook.com/RaiPongKhun/
-------------------------
こうして、パッタルン2日目の夜はゆっくりゆっくりふけていきました。
続きは次回に。
ではまた。