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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

シンブリー県のタ・プローム!?巨木に守られたお寺【タイの観光マイナー県散策:シンブリー】

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こんにちは。まなおです。

北はチェンマイ、チェンライからスコータイ…
中央のアユタヤー、バンコク、パタヤ―、カンチャナブリー…
南へ向かえば、フアヒン、クラビ、プーケット…
と、タイは多くの人気観光地を擁する観光大国ですが、たまにはタイの観光マイナー県についても書いていきたいと思います。

今までもちょくちょく書いてはいたんですけど、改めてメジャーじゃない観光地にスポットを当ててみるのもいいかなと。
人気観光地の情報なんて、探せばいくらでも簡単に見つかりますもんね。
どれだけの人に興味をお持ちいただけるかはわかりませんが、ほんの一握りの方にでも喜んでいただければ本望です。

早速、今回は、シンブリー県と参ります。

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シンブリー県ってどこ?

そもそもシンブリー県をご存知ではない方も多いかと思います。
名前くらいは聞いたことがあっても、今一つどこにあるのか把握していなかったり、何がある県なのかよくわからない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
私も、正直、タイの中央部に位置する県の割には、よく知らない県でした。

位置的にはアユタヤーより北、バンコクからは150キロほどの距離にある比較的小さな県です。
ちなみに、タイの1都76県のうち、シンブリー県は面積で74番目です。



以前、影絵芝居を見に行った時に、私は、はじめてシンブリーという県を意識しました。(よく見ると、ほぼちょうど1年前に記事を書いてました)

www.manao.life

 
現在、外国人(と一部のタイ人)観光客にとっては、なかなか影の薄い県ながら、アユタヤー時代には、このあたりは重要な拠点であったようです。
その要所であったことを示す有名な史実「バーンラチャン砦」の物語もありますが、その話はまた後日。

 

ガジュマルの寺「ワット・サイ(วัดไทร)」

シンブリー県の北端、チャイナート県との県境であるチャオプラヤー川のほとりに、ワット・サイ(=ガジュマルの寺)という名前のお寺があります。
このお寺、今は本堂の一部が残っているだけなんですが、その姿がなかなかインパクトがあります。
お堂の壁がほとんど巨木の根による浸食を受けており、むしろお寺が巨木の一部のような様相を呈しているんです。

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規模は違えど、アンコールワットで有名なカンボジアの寺院遺跡「タ・プローム」を彷彿とさせます。
あそこも長年ジャングルの中に忘れ去られていたために、ガジュマルの木に支配されたかのような遺構が有名ですよね。

 

名前の由来と言い伝え

このお寺は、もともと「ワット・タヤーン(วัดทะยาน)」という名前だったのですが、かつてこの地を訪れた遊行僧(諸国を行脚している旅の僧)が、サイの木ガジュマルの木)で厚く覆われたこの廃寺を見て、住民に寺名を「ワット・サイ(ガジュマルの寺)」と改めるように進言したとのことです。
それ以来、ワット・サイ寺院と呼ばれるようになりました。

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このお寺の面白い点は、巨木の根がしっかり張り付いていることで、本堂の崩壊を免れたということです
廃寺になって以降、他のお堂は歳月と共に崩れ去っている一方で、この本堂だけは木による浸食のお陰で結果的に守られたわけですね。

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言い伝えによると、その昔、ここの本尊は金で覆われていましたが、ミャンマー軍により金は略奪され、頭部は破壊されてしまいました。
後に住民たちの募金により頭部は修復されます。

しかし、その後、本堂の屋根の修復をしようとした時に落雷にあったことや、この本尊が改築を望んでいないというお告げを夢で見た人も出現したことから、屋根は取り付けないまま今日に至っているそうです。

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かつては本堂周りに巨大なガジュマルと菩提樹の根が張り巡っていたのですが、菩提樹の根の方が強靭なため、現在では、本堂はほぼ菩提樹の根で覆われているようです
そのなんとも言えない自然の造形美。

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本尊の頭部の復元が完了して以来、地元の人たちによるタンブン(供養)が、毎年ソンクラーンの4月16日に行われています。

(本堂横にあった由来説明の看板より一部要約)

 

<寺院情報>

ワット・サイ寺院
วัดไทร
Wat Sai

所在地:Moo 5 Chi Nam Rai, In Buri, Sing Buri 16110
    หมู่ 5 ตำบลชีน้ำร้าย อำเภออินทร์บุรี จังหวัดสิงห์บุรี



まとめ

シンブリー県の北、チャイナート県との県境近くにある、ワット・サイ寺院は、巨木の根に守られた本堂が印象的なお寺でした。
周りにはチャオプラヤー川と小さな村しかない、牧歌的な一帯の素朴なお寺ですが、神秘的な雰囲気を醸し出していました。
なにより、木の根と本堂の崩れかけた壁とのバランスや造形がかっこいいです。

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アンコールワットのタ・プローム寺院のようだとまでいうと、ハードルを上げすぎな気がしますが、それでもシンブリー方面へ行く時には立ち寄るといいスポットだと私は思います。

今回は、このへんで。

 

ではまた。