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バンコク生活の中で気づいたことや感じたことを書き連ねます。タイの生活情報やタイ語のあれこれ、タイ国内旅行、近隣諸国訪問なども織り交ぜながら。

だから『ก็เลย』(コ・ルーイ)はそこじゃない。(日本人が間違いやすいタイ語のうんちく)

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とうとう本格的に風邪をひいてしまったもようのまなおです。喉が痛いです。

 

日本人が間違いやすいタイ語というのは、発音や文法、場面に相応しい言葉の選び方など、いろいろあると思うのですが、自分への備忘録というか戒めの意味も込めて、思いついたことを書いておこうと思います。
今回は、「~だから~する(した)」「~ので~する(した)」など、原因と結果、理由と結論といった因果関係を表すタイ語の口語的表現「~ ก็เลย [kɔ̂ɔ ləəy] コ ルーイ ~」の落とし穴について書きたいと思います。

 

 

間違いさがし

いきなりですが、問題です。以下のタイ語表現の中で文法的に間違っているものはどれでしょうか?

  • เมื่อวานนี้มีไข้ ก็เลย เข้านอนเร็ว [mʉ̂awaanníi mii khâi kɔ̂ɔ ləəy khâo nɔɔn rew](昨日は熱があったから早く寝た)
  • เมื่อเช้านี้รถเสีย ก็เลย ฉันมาสาย [mʉ̂acháoníi rót sǐa kɔ̂ɔ ləəy chǎn maa sǎay](今朝車が故障したので私は遅刻した)
  • ราคาแพง ก็เลย ผมไม่ได้ซื้อ [raakhaa phɛɛŋ kɔ̂ɔ ləəy phǒm mâi dâi sʉ́ʉ](価格が高かったから私は買わなかった)
  • วันนี้เป็นวันพระ ก็เลย พ่อไม่กินเหล้า [wanníi pen wan phrá kɔ̂ɔ ləəy phɔ̂ɔ mâi kin lâo](今日は仏教の日なので父はお酒を飲みません)
  • เขานิสัยดี ก็เลย ผมชอบเขา [kháo nísǎi dii kɔ̂ɔ ləəy phǒm chɔ̂ɔp kháo](彼は性格がいい。だから僕は彼が好きだ)


さて、どれが間違っている文章かおわかりでしょうか?

すぐに間違いの文章がわかった人、自信を持って間違いを指摘できる方は、この先の記事は読まなくてけっこうです。既にきちんと用法を理解されていますから。

一方、間違っている文章がわからない、あるいは間違いかどうか自信がないと思われる方は、「ก็เลย コ ルーイ」の用法を間違って覚えてらっしゃる可能性があります。(かくいう私も昔は間違っていました)
これ、意外とタイ語中級者やある程度タイ語を流暢に話す方でも間違っておられることがあります。

では、答え合わせをしましょう。

1番以外、全部間違いです。
おわかりでしょうか?

 

主語(S)の位置がおかしい

そうなんです、後続文(結果・結論の文)の主語の位置が間違っているんです。
1番はあえて主語を入れなかったので問題ないんですが、2番から5番まではすべて主語(S)が「ก็เลย [kɔ̂ɔ ləəy] コ ルーイ」の後にきているので間違いなんです。主語(S)はก็เลยの前でなければなりません。
つまり、正しくは、

  原因・理由の文   ,主語(S)+ ก็เลย(コ ルーイ)結果・結論 

ということになります。
よって、

  • เมื่อเช้านี้รถเสีย ฉันก็เลยมาสาย [mʉ̂acháoníi rót sǐa chǎn kɔ̂ɔ ləəy maa sǎay]
  • ราคาแพง ผมก็เลยไม่ได้ซ้อ [raakhaa phɛɛŋ phǒm kɔ̂ɔ ləəy mâi dâi sʉ́ʉ]
  • วันนี้เป็นวันพระ พ่อก็เลยไม่กินเหล้า [wanníi pen wan phrá phɔ̂ɔ kɔ̂ɔ ləəy mâi kin lâo]
  • เขานิสัยดี ผมก็เลยชอบเขา [kháo nísǎi dii phǒm kɔ̂ɔ ləəy chɔ̂ɔp kháo]


というのが、正しい用法です。

「あ、自分も間違っていた」とお心当たりの方、多いのではないでしょうか。

 

いったん「ก็เลย ルーイ」が接続詞だという概念を捨ててみる

この間違いに関して、私自身、矯正するのがとても難しかったです。
というのも、「ก็เลย コ ルーイ」=「~(だ)から」「~(な)ので」といった日本語的な接続詞の用法、あるいは英語の「so」や「therefore」の用法と同じだと捉えていたので、どうしても主語を先に持ってくるという語順に慣れませんでした。

「価格が高かった。だから、私は買わなかった」という文が頭の中にあって、「だから」という部分に「ก็เลย コ ルーイ」をあてはめてしまうんですね。

たしかに、日本語でも「価格が高かった。私は、だから買わなかった」というふうにも言えなくはないんですが、なんとなく不自然な気がします。

また、(私は大して英語も得意ではないんですが)英語の「so」や「therefore」にあてはめてしまうともっとやっかいです。

  • It was expensive, so my mother didn't buy it.
  • Yesterday I had a fever, so I went to bed early.

英語は基本的に主語を省略できないし、「so」や「therefore」は主語の前にきますから、そのままタイ語の「ก็เลย コ ルーイ」に置き換えてしまうミスが発生しがちです。

ということは、もしかしたらファラン(英語母語話者)も同じようにタイ語の「ก็เลย コ ルーイ」の用法を間違っている人が多いのでしょうか?


いずれにしても、私はどうしても主語の前に「ก็เลย コ ルーイ」を入れてしまう癖がなかなか抜けなかったので、頭をリセットすることにしました。
つまり、(「ก็เลย コ ルーイ」はタイ語の接続詞的用法だということは確かだけれども)いったん接続詞という概念を捨てて、ก็コー」は主語の後ろにくる!ということを意識するようにしました。

 

ก็コー」は主語の後ろにくる!

例えば「~も」「~もまた」という「ก็コー」の用法は比較的よく使われるし、タイ語を習い始めばかりの時点でも導入される文型だと思います。

  • ผมก็ไป [phǒm kɔ̂ɔ pai] ポム コー パイ(僕も行く)
  • แม่ก็ชอบดูหนัง [mɛ̂ɛ kɔ̂ɔ chɔ̂ɔp duu nǎŋ] メー コー チョープ ドゥー ナン(母も映画を観るのが好き)
  • อะไรก็ได้ [arai kɔ̂ɔ dâsi] アライ コー ダーイ(なんでもいい)

この「ก็コー」の用法(Sก็〜)は、みなさんわりと間違わずに使いこなしてらっしゃるんじゃないでしょうか。ですから、私はこれらおなじみの「ก็コー」の語順と同じなんだと意識して、主語を先に言ってから「ก็เลย コ ルーイ」をつけるのだと頭を切り替えました。
そうするといつの間にか語順の間違いをしなくなっていました。

 

まとめ

長々と書きましたが、要は、
主語がある場合は、主語の後に「ก็เลย ルーイ」をつけましょう。
ということです。

ちょっとしたことですが、間違って話している日本人をたくさんみかけます。
中には間違いを指摘して正してくれる親切なタイ人もいるかも知れませんが、ほとんどの人は意味が分かるからあえて指摘せず、聞き流してくれているんだと思います。
だから余計に私たちは間違ったまま覚えてしまっていることが多いのでしょうね。

今回は、「原因・理由」と「結果・結論」の因果関係を表すタイ語の口語表現「ก็เลย コ ルーイ」について書きましたが、文語的な「จึง [cʉŋ] ジュン」も基本的には「ก็เลย コ ルーイ」と同じ語順で置き換え可能です。
また、同じく文語的な「したがって」「であるから」という意味を表す「เพราะฉะนั้น [phrɔ́ chà nán]  プロチャナン」や「ดังนั้น [daŋ nán] ダンナン」、および「จึง ジュン」とのコンビネーションといった他の表現もあるのですが、長くなるので今回はこのへんで。

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ではまた。